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執筆者の写真Giro

短い秋の瑞宝寺

台湾の弟(ややこしいので詳細は割愛)が帰ってきたのだが 予定を聞くと「有馬温泉の瑞宝寺で紅葉狩りがしたい」とのこと。


私はあまり自発的な撮影というのをしないので 紫陽花の季節だから紫陽花寺に行こうだとか

桜の季節だから桜の名所に撮りに行こうみたいなことはほぼしない。


が、せっかくこういう機会をもらったのだから 「それなら一緒に行こう」となり、紅葉の撮影というのをやってみようかなと。


とはいえ、紅葉撮影のために機材選びからやりだすと

キリがないし面倒でもあるし、たくさん持って行くのは重いし嵩張る。

それならいっそ縛りがあった方が面白いよな、ということで

Z9にplena 135mm f/1.8だけを持って行くことにした。

(一応フイルムのF3は別途持って行ったが)



こういう季節ものは、天候はもちろん、気候によって

まだ早かったかな、とか、もう遅かったか、なんてことがあってげんなりとするが

今回は弟が行きたいってことで、スケジュールもこの日しか無かったので

後は運任せということで。



結論から言うと、完全に真っ赤ではないけど 色づき始めていて緑や黄色とのコントラストもあって、けっこう良い感じだった。


平日昼間でもあったので、観光客もそこまで多くなく

(その中でけっこうカメラ使ってる人が多かったのも印象的だが)

けっこう満足度の高い撮影となった。




有馬温泉までは車で行った。

電車バスでも行けるのだが、けっこう遠いし、お高い。

寒くなってきてもいるし、移動で体力を使いすぎるのもよくないので。


瑞宝寺公園はいわゆる有馬温泉の温泉街の端にあるので、駐車場も入口よりも奥側を探し そこから10分ほど歩いて向かった。


道すがらではまだ紅葉めいたものは見れなかったが、咲いている雑草にも秋を感じた。



plenaらしい柔らかい中に芯のある描写で、こういう被写体もハマる。





入口が見えてきた当たりの木はまだ青々としていた。

時間はお昼前の11時頃、日の位置と角度がよく光を透かす青葉が。



前述のように今回は135mmのレンズ1本なので、風景全体を伝えるようなことはできないが

逆に少し離れた木々を切り取って伝えることができる。





瑞宝寺公園が近づくと、いかにも紅葉しそうな木が増え

実際に色が変わっているものもポツポツと。




plenaレンズの素晴らしい点は、ボケはもちろんだが色味の良さもあるように思う。

赤と黄色と緑のコントラストやグラデーションを自然に美しく描写してくれる。


もちろん感度がISO64スタートであるZ9の強みもしっかり活きているのだろう。



公園内に入ると、けっこう色づいている木も多く

エリアによっては「紅葉狩り」と言い切っても過言ではないくらいの風景に。


しかし私はついつい「小さい秋」を見つけたくなってしまう。







森や林の良さは、やはり自然な「木漏れ日」が活かせるところにある。


スタジオでもなければ自然光で撮ることが多い私には

天候も時間帯もちょうどよかったようで、やや木々の多い暗いエリアで

木漏れ日ライティングでの落ち葉撮りは上を向いて木を撮るよりも楽しかった。



さて、瑞宝寺公園というだけあって、瑞宝寺というお寺がある、はずである。

が、瑞宝寺公園の奥にお寺がありそこを参っていけるわけでもないようで 公園内を進むと、森や山のようになっているエリアが端で 瑞宝寺そのものは見当たらないまま一周してしまった。



奥深いエリアでは木の影と光を浴びる高い枝とのコントラストが面白い。

暗い木は手前に配置して、隙間から見ているような景色で切り取れる。


そういえばお寺には景色を切り取る窓があり、そこからの見え方を考えた 庭園と窓の関係性が完成されたものも多いが、それを自然とカメラで どのように切り取るか、と考えるのは楽しい作業かもしれない。



赤はデジタルカメラのセンサーでは苦手な色とされるが

なかなかどうして最近のセンサーは素晴らしい。


広角で風景全体を収めるわけでも、マクロのように極端に寄って切り取るわけでもなく

135mmという中望遠の絶妙な距離感での紅葉狩りというのも新鮮でよい。



そんなわけで秋の瑞宝寺公園をぐるっと回って撮ってみた。


本気の撮影というわけではなかったので

歩きながら良いなと思った風景で単にカメラを構えるだけだったが

それでも自分がどこに着目したか、見せたいと思ったかが伝わりやすい

そんな写真が簡単に撮れるのはplenaの良いところだと思う。



なお、細かい設定は省略するが、今回掲載した写真については

開放f1.8~2.8くらいでの撮影がほとんどである。


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