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執筆者の写真Giro

季節の変わり目

朝晩の冷え込みに冬の訪れを感じる。


が、日中の陽射しにはまだ夏の名残を感じていて

秋はいずこに、とも思う。


昔はもっと明確に「すっかり秋だな」と感じることが多かったが

よく言われるように最近は「夏からいきなり冬」となってきているのだろう。


あるいは、この夏と冬のそれぞれを残した今の季節を 最近では秋と呼ぶべきなのかもしれない。



さて、秋らしい写真といえば紅葉がベタなところだが

わざわざ紅葉を撮りに行こうという気もないので

相変わらず、仕事以外では家の周りをたまにふらつくのみ。



なお、今回の機材は全てZ9 + Z 135mm f/1.8 s plena である。



庭の秋桜は枯れ始めていてこんなところに秋を感じる


ISO64 1/500s f/2



ISO64 1/250s f/1.8


うちのコスモスは勝手に咲いて放置しているような状態だからか 妙に茎が長く、首を伸ばしたような姿になっている


雑多に生えた植物は、当たり前ながら立体的に複雑に広がっているので フォーカスポイントとしてメインで狙った部分はもちろんだが それと同じ距離感で被写界深度に入り込んできたものは細かく描写されて面白い。


今回のplenaはとにかくこうした立体描写が素晴らしい。

簡単に言えばボケやすいとかボケが綺麗とかそういう話ではあるんだが

合焦部の繊細さが無ければボケがどうとか言ってられないし 解像力が高く、高精細だからこそ、ボケも際立つというものである。



庭の木として随分背が高くなった百日紅も、もはやほとんど花が落ちている


ISO64 1/160s f/2.8


開放f1.8で撮るとさすがに溶けすぎて、それはそれで面白かったので ちょいと絞ると後ろの葉っぱや幹とのバランスが良くなった。


しかしその分、ほとんど空を見ながら撮っているような状態なので 曇天とはいえ逆光であるので露出が足りなくなる。

百日紅の花の色をある程度出したければシャッタースピードを落としたい。


幸い最近のカメラは手振れ補正が優れているので

135mmを1/160sくらいならまず手ブレしない。

ただし長い枝の植物は風で揺れて被写体ブレするのでその辺りはお気を付けて。



少し移動して庭のアーチに這わせているバラを。



ISO64 1/1000s f/1.8


完全にただの好みだが、真夏の日差しの中で撮るのでも無ければ

基本的にバラは暗めに撮りたい。


ISO感度は基本的に基準値、描写の面で絞り開放付近にするなら フィルターでも噛まさない限りは暗く撮るにはシャッタースピードを上げるしかない。


動いていないものを動かずに撮るんだから例えば上の写真が

1/250sだろうが1/1000sだろうが変わらないはずだが なぜか私にはシャッタースピードが速い方が、より止まった感 もっといえば閉じ込めた感が出ている気がする。


単に露出の面で暗めに撮りたい、というのもあるが そういう意味合いでもシャッタースピードを速くして撮りたくなるのだ。


アップロード用に縮小しているが それでも細かいおしべが全てクッキリ解像されている。

開放でこれだから恐ろしいレンズである。


なお、135mmの最短撮影距離ギリギリくらいで撮っているので ほんの少し撮影者が前後に動くだけでピントは外れるし 左右、上下のブレも拾いかねない。

よって、シャッタースピードを速く、数枚連写するくらいにした方が 結果的に打率も上がるだろう。



別角度から


ISO64 1/800s f/1.8


曇天の日なので光の当たった部分が目立ちすぎることもない。


光と影による立体感が出せない分、ある意味ではのっぺりとした平板な写真になりがちな 条件だが、だからこそレンズの描写力が活かしやすいとも言える。


やや深刻過ぎるきらいのあるくらいの色味と明るさで撮れば

夏のバラとは明らかに様相が変わって見えるのだから 季節感の出し方というのも面白いものである。



蛇足だろうがおしべ付近をほぼ等倍で切り出してみた。



マクロで撮ったか、と言われそうな画になる。


高画素機で高解像のレンズを使うとこういう遊びもできる。

良い悪いや好みかどうかは別にして、余力があるというのは大事なことである。



さて、久しぶりにまじめに記事を書いた。


ちなみに今回の撮影に関しては、裏口から家を出て数枚とっては移動を繰り返し コスモス、百日紅、そして玄関側でバラを撮って終わり。

しめて6~7分のことである。記事を書いている時間の方がよっぽど長い。


このplenaというレンズは

「撮ったもの全てを作品にしてしまう」と言う人もいるくらい画力の強いレンズである。

Fマウントの105mm f1.4もそうだったが、ズルいレンズだなーと思いつつ 言い方は悪いが、あまり考えずにぽんぽんスナップ的に撮るだけで

人に見せられるレベルの写真が量産できるのだからありがたいことである。


できればニコンZユーザーは全員買って、第2弾第3弾のplenaレンズが出て欲しい。


ちなみにこのplenaという名称はラテン語の「Plenum」から来ているらしい。

意味は「空間が満たされている」ということらしい。


あまり使ったことのない表現だが、撮った写真を見ると 確かに、画角がしっかり満たされているような写真に見える。


開発陣に敬意と感謝を込めて、これからも愛用していきたい。

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